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イケないキミに白い林檎を
第12章 甘い口付
隣には切なそうに微笑んで私を見ているソラ先輩がいた。
「帰ったんじゃないんですか」
「なんで?逃げるつもりはないよ。それより、ちゃんと調べたの?」
「いえ……」
「そうだと思って、妊娠検査薬を買ってきたから。生理予定日の一週後から調べられるみたいだけど――――」
薄く細長い箱が入った紙袋を枕元に置かれた。
それは怖くて、恥ずかしくて私が買えなかった物だった。
「っ……、ソラ先輩は関係ないじゃないですか。他の男との問題なんですよ」
「でも乙羽さんの今の彼氏は俺だろ」
「彼氏……?だったらこの前、颯太の所に一緒に行った時、なんで私を置いて帰っちゃったんですか!?」
「っ……、俺だってすごく嫌だよ。でも二人の邪魔はしないって約束したから……」
「うっ……」
私はまた泣いて、ソラ先輩は俯いて、お互いに黙ったまま時間が過ぎた。
「どっちの結果にせよ、付き合って三ヵ月になるか、復縁が決まるまでは俺の彼女としていてもらうから」
「これから先、また傷付いたとしても……?」