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イケないキミに白い林檎を
第12章 甘い口付

素直になって、ベッドにのると後ろから抱き寄せられた。

「ごめんなさい。今日は…したくないです……」


「そうじゃなくて、こうしてるだけでもいいと思わない?」


またしなくてもいいんだ……。

今まで男とベッドに行くといつもセックスをしていたから、こんな過ごし方もあることを知らなかった。


後ろからの抱っこか……。


「……これ、とってもいいです」

包んでくれるように密着する体に、私の胸の下を通るソラ先輩の腕。

私よりも高い体温を背中に感じるし、なんだか守られているような気分になる。


「お腹痛いんだよね?」

「痛み止めの薬を飲んだので少しは楽になりましたけど」

私がそう言うと、そのままの体勢でお腹に手を当ててスリスリと撫でてくれる。

位置は少しずれているけど、痛む場所まで届く程にその手が温かく感じた。


「こんなことをしてもらえたのが初めてで恥ずかしいです……」


「それじゃあ、これからもっと乙羽さんの初めてを探していくかな」

「ふふっ。見つけられるのなら、見つけてみてください」


少し意地悪染みたことを言ってみると、ソラ先輩が左の耳元で囁く。


「だったら、キスしてもいい?」


耳に息が軽く触れてビクッと感じてしまった。

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