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イケないキミに白い林檎を
第12章 甘い口付

「いつもおでことかに勝手にしてるじゃないですか。なんで今更――」

「今度は口にだよ。……だめ?」


「…………。だめじゃ…ないです」


私の正面を向くように移動してから、両肩にそっと手を置いてくる。

ソラ先輩とキスするのは初めて。

すごく緊張する……。


少しずつ近づいてくる顔に、目を閉じて待っていると控えめに軽く唇が触れる。

今までされた中で一番優しいキスだった。



「……もっとしていい?」

一旦離れてから落ち着いた艶のある声で求められ、胸がドキドキと高鳴り煩くなる。

断る理由が見つからない上に、……嫌でもない。


小さく頷いて同意してからもう一度瞼を落とすと、さっきよりも少し強く口付けされた。

唇が離れてから見ると虚ろな目が合う。

「ソラ先輩っ……」


「まだ終わってないよ」


「え……?」


「俺の気が済むまでするから」


「んっ……」


表面に触れるのを堪能するように、柔らかい唇をゆっくりと重ねて離すのを丁寧に繰り返される。

お腹の痛みを忘れてしまうくらい、私の脳は甘さに支配されていく。

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