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イケないキミに白い林檎を
第13章 秘密の行為
「乙羽さんの胸、触り心地がいいね」
「ありがとうございます……」
「ますます好きになるよ」
「っ……。ひゃっ……!」
巻いていたバスタオルが緩んで足元に落ちて何も身に着けていない状態になると、ソラ先輩はすぐに拾い上げて私の体を隠すように掛けた。
「…………。とりあえず荷物を持ってくればいいんだよな」
「はい……。お願いします」
私を見ないようにドアを閉めて、荷物を取りに出て行く。
分からない。
他の男は私の意志など関係なく体を求めてきたのに。
裸を目の前にして避けようとするソラ先輩の気持ちが読めなくてもどかしい。
早く戻って来ないかな……。
――コンコンッ
「シャワーを使いたいんだけど、風子ちゃんまだ?」
大地くんが脱衣場のドアを叩いて催促してきた。
「まだ終わってないから待ってて」
念のためにバスタオルを持っていないもう片方の手でドアを抑えた。
「結構時間が経っているんだから、服はもう着てるでしょ?」
ここで服を着ていないと言ったら大地くんの性欲を煽ってしまう。
友達と言えど、大地くんも男であって油断できない。
「着てるけど、まだ開けないで」
「それなら大丈夫じゃん。なんで入れてくれないの?」
「ダメなものはダメだから」
「風子ちゃんに痴漢するわけじゃないんだからさー、せめて手だけ洗わせてよ。……もう開けるからね?」
お互い一歩も譲らぬ攻防がドア越しに繰り広げられたけど、大地くんが先にピリオドを打つ。
「開けちゃだめー!」
大地くんの押し開ける力に呆気なく負けてドアが開いた。