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イケないキミに白い林檎を
第13章 秘密の行為
お昼になる前。
みんなが打ち合わせをしている間、私がご飯を作ることになった。
台所に立ち、買ってきた材料を出して野菜を切っていると莉乃さんが隣に来る。
「わたしがやるから退いて!」
「危ないからちょっと待ってください」
――――ドンッ!
「わっ……!」
莉乃さんに横から押された衝撃で、人参を切っていた包丁が手から離れて宙を舞い、床へと落ちた。
「オイ、莉乃!何やってるんだよ!風子ちゃん大丈夫か!?」
唖然としていると、海田先輩が来て莉乃さんを叱った。
心配して切りそうになった指を見ようとしてくれたけど、私は手を引っ込めた。
「血も出てないですし、切れなかったので全然大丈夫です」
「でも……」
私を心配してくれる海田先輩の姿を見て、莉乃さんは歯を食いしばりながら涙目になる。
「悠馬のバカッ……!」
海田先輩の名前を口にして怒り、莉乃さんが外へと飛び出して行った。
追い掛けようとすると海田先輩に止められる。
「ひとりにさせておいていいから。まったく、莉乃は風子ちゃんの前では態度を悪くするし本当ごめんな。だから少し頭を冷やせばいいんだよ」
「…………」