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イケないキミに白い林檎を
第13章 秘密の行為
「海田先輩とは全然そう言うのないですよ。ただの先輩です」
「でも仲良いんでしょ?」
「普通です。でも男として意識していませんし、狙ってすらいません」
「絶対に狙わない?」
「男女の仲になることは神に誓って絶対にないし、悪いですけど海田先輩は私のタイプじゃありませんので」
断言すると不安でいっぱいだった莉乃さんの顔が解れていき、やっと口角が上がった。
「……よかったぁ。悠馬の高校の時の後輩が、どんな女の子なのかなってめっちゃ心配だったから」
「そうだったんですね。……彼氏の知り合いの女の子って気になりますよね」
「じゃあ、風子ちゃんも彼氏いるの!?男と泊まること怒られたりしなかった?」
彼氏か……
「一緒だから、何とも……」
「え!?まさかあのエスカルゴの人?」
「いやいや。大地くんはただの友達ですだから」
「あはは、冗談よ。余興でピアノを弾く、穏やかな人でしょ?風子ちゃんのことをよく見てるから好きなのかなって思ってた」
普段からソラ先輩の好意は伝わってくるけど、改めて他人から言われると照れ臭くなる。
「美男美女って感じでお似合いよね」
「私は美女じゃないですし、彼に釣り合わないですよ」
「ううん、そんなことない。隣に並んでるところ見てたらピッタリだなって思ったの」
………………。
そんな風に見えるんだ……。
訳ありで期間限定のカップルなのに。
純粋な目をして褒めてくれる莉乃さんを前に心が苦しくなった。