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イケないキミに白い林檎を
第13章 秘密の行為

一階に降りて行くと、ソラ先輩が電子ピアノにヘッドホンを付けて練習していた。

隣に座って肩に持たれると、弾くのをやめて私を見る。

「眠れないの?」


「なかなか寝付けなくて……。ソラ先輩はまた練習ですか?」

「鈍ってるからいっぱい練習しないといけなくてね」


余興の練習をしていた時、充分にできていたと思うけどな……。


「でもピアノをこんなに弾けるのすごいです。他にも習い事してたんですか?」


「うーん……、英会話に合気道、書道、そろばんとか。
小さい頃は色々習っていたんだけど、極めたものがなかったからどれも中途半端かな。だからピアノを弾けても下ってところなんだ」

一体、どんな子供だったんだろう……。

大地くんがよく万能だって慕ってるけど理由が分かった気がする。


「いいえ、ピアノも十分に上手いです!それに色々やっていたのもできる幅が広がるじゃないですか。何もない私から見たら憧れます」


「何もなくなんかないよ。乙羽さんは、料理とお菓子作りとか上手ですごいなって思う」

「えっ……。ありがとうございます……」


「「…………」」

静かになった部屋に、二階から喘ぎ声が聞こえてきてソラ先輩と顔を合わせる。


「海田は戻ってきそうにないかな」

「ですよね……。後で上のベッド使うでしょうし、私はここで布団を引いて寝ます」

立ち上がるとソラ先輩にグイッと腕を掴まれて、足を止めた。


「一緒に寝ようか」

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