この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イケないキミに白い林檎を
第13章 秘密の行為
一階に降りて行くと、ソラ先輩が電子ピアノにヘッドホンを付けて練習していた。
隣に座って肩に持たれると、弾くのをやめて私を見る。
「眠れないの?」
「なかなか寝付けなくて……。ソラ先輩はまた練習ですか?」
「鈍ってるからいっぱい練習しないといけなくてね」
余興の練習をしていた時、充分にできていたと思うけどな……。
「でもピアノをこんなに弾けるのすごいです。他にも習い事してたんですか?」
「うーん……、英会話に合気道、書道、そろばんとか。
小さい頃は色々習っていたんだけど、極めたものがなかったからどれも中途半端かな。だからピアノを弾けても下ってところなんだ」
一体、どんな子供だったんだろう……。
大地くんがよく万能だって慕ってるけど理由が分かった気がする。
「いいえ、ピアノも十分に上手いです!それに色々やっていたのもできる幅が広がるじゃないですか。何もない私から見たら憧れます」
「何もなくなんかないよ。乙羽さんは、料理とお菓子作りとか上手ですごいなって思う」
「えっ……。ありがとうございます……」
「「…………」」
静かになった部屋に、二階から喘ぎ声が聞こえてきてソラ先輩と顔を合わせる。
「海田は戻ってきそうにないかな」
「ですよね……。後で上のベッド使うでしょうし、私はここで布団を引いて寝ます」
立ち上がるとソラ先輩にグイッと腕を掴まれて、足を止めた。
「一緒に寝ようか」