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イケないキミに白い林檎を
第14章 それぞれの愛

日が落ちて真っ暗になった帰り道を二人で歩く。


吐いた息が薄らと白くなるほど冷えるけど、ドレスと言う滅多に着れない服装に寒さなど関係なく浮かれていた。

もう暫くこの格好でいたくて我儘を言うと、荷物をコインロッカーに預けてから二人で散歩をすることになった。


「結婚式良かったですよね。余興も大成功で終わりましたし」

「うん。これで一つ肩の荷がおりた気分だよ」


「そうですよね。でも花嫁のドレス姿すごく綺麗でした。純白のドレス、私も綺麗に着れるでしょうか」



「……着れるよ」



「私は自分を安売りして、誰かの幸せを壊そうとしたんですよ。……こんなに汚れてるのに白く染まれるはずありません」


男に溺れたイケナイ行為と奪われた元カレの略奪。


自分の弱さと寂しさのせいで真っ直ぐに歩んでいた道から逸れて、黒く染まってしまった。

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