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イケないキミに白い林檎を
第14章 それぞれの愛

「私が浮気されて可哀想だから優しくしてくれて、無理に一緒にいてくれてるんですか」


「いいや、乙羽さんのことが好きだから傍にいたいんだ。この気持ちに偽りはないよ。
でも好きになって欲しい見返りを求めるなら、これは偽善なのかな」


首を横に振って否定して、熱が伝わるように願いながら包む。

そこに真っ白い雪が手にふわりと降ってきて、ゆっくりと溶ける。
残ったのは涙のような混じり気のない透明の雫。



今になって、縛られる前の私がソラ先輩のことを嫌いだった理由がやっと分かった。


あなたが白くて真っ直ぐだから、汚れた私はあなたを嫌いだったんだ……――




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