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イケないキミに白い林檎を
第15章 キミともう一度
「やめておいたら。行ったらまたあの女に傷つけられるよ?乙羽さんが関わっていたとしても出る幕じゃない」
これは颯太と玲亜さんの問題。
ギクシャクしている二人の間に私が入ったら火に油を注ぐだけ。
冷静に考えたらソラ先輩の言う通りだ。
「でも私のせいで颯太が板挟みになって可哀想です」
「はあ……。裏切った颯太の自業自得だろ」
「そんな言い方しなくても……。ソラ先輩は颯太のことが嫌いなんですか?」
「一層の事、完璧に嫌いになれれば楽なんだけどね。女関連を除けば、面倒見も良くて悪い奴じゃないから」
前に颯太がソラ先輩との関係について話してくれた時を思い出した。
切れそうで断ち切ることのできない信頼関係。
兄弟のように接していた過去が情になって二人を繋いでいるのだろう。
「ともかく、乙羽さんが何を言おうが俺は反対」
「私が今度こそ玲亜さんにガツンと言ってやりたいんです!他人の彼氏を盗ったのはそっちでしょって言えば――」