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イケないキミに白い林檎を
第15章 キミともう一度
「あの女を目の前にしてそれを言える?」
「うっ……」
美人、年上、自分に自信を持っていて輝いている玲亜さん。
口の達者さと気の強さでは、私が絶対に負けるのは目に見えている。
しょんぼりとしていると、ソラ先輩がいきなり私のブラウスのボタンを胸元まで外す。
「なっ…、なにするんですか。今はそんな気分じゃ……」
両肩を掴まれるとソファーに押し倒され、開けた胸元にキスが降ってくる。
それは強くてチクッと小さな痛みを感じる程だった。
「んっ……。まだ話が、終わって……」
口付けした場所を名残惜しそうに指でなぞってから、私に寂しそうな面影を見せながら微笑み掛ける。
「俺に相談しなくても自分で答えを出してるんだろ。……でも今回は何があっても助けに行かないからね」
「はい……」
いくらソラ先輩に反対されても押し切ってしまうのは、私も颯太にまだ情があるからなのだろうか。
浮気を反省した颯太を取り戻せる希望があるから?
それとも困っている颯太を助けたいから?
ますます自分の気持ちが分からなくなるばかりだった。