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イケないキミに白い林檎を
第15章 キミともう一度

「付き合ってた時は、あんな甘ったるいこと言ってくれたことなかったから珍しいなって思って」


「うるせえな。オレなりに今まで以上に反省してんだよ」


颯太が耳を赤くしながら言うと同時にぐうっとお腹も鳴る。
会社から帰って来てすぐに玲亜さんと話していたのか、スーツのままで着替えもしていなかった。


「久しぶりにご飯作ってあげようか?」

「っ……、頼むわ」


ぶっきらぼうに返事をされてから台所へ向かう。

調理用具や食器を見ると、私が使った時のままの位置に置いてあった。

付き合っていた頃に颯太の代わりに家事をしていたのが懐かしくなる。


使えそうな材料がないか冷蔵庫を開けてから卵を手に取った。


「ねえ、颯太。これ使って……」


颯太のいる方に視線を向けると玲亜さんに買ってあげたペアリングが入った白い箱を少し見つめてからゴミ箱に捨てていた。


いくら別れると言っていても好きだったんだろうな……。

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