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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと

「いいや、気のせいだよ。ところで明日の夜は空いてる?」

「すみません。用事があって……」


「じゃあ日曜日にどこか行かない?」


私がソラ先輩の恋人でいる最後の日か。
せめて最後の日くらいは一緒にいた方がいいよね。

「分かりました。でも大雪が降るとあまり遠くに行けませんね」


「天気予報では日曜日の夕方までなら雪は降らないらしいよ」

「そうなんですね。ってことは夜から降るんですか」


「うん。乙羽さんが行きたいところがあったら言って」

「ありがとうございます。考えておきますね」


最後の日はどう過ごそうかな。

どうしてあげれば喜ぶんだろう。

まず助けてもらったお礼もしようと思って恋人として一緒に過ごしてきたけど、ちゃんとできていたのかな……?


私がしてあげたと言えば、塩おにぎりにあまり気合いの入れていないお弁当。

せめてもっと美味しい料理を作ってあげれば良かったな……。


「私はソラ先輩に恩返しできたでしょうか?何もできてない気がしまして……」

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