この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
ソラ先輩の優しい気遣いに心が痛む。
自分に分身ができたら二人の間で上手く立ち回れたのだろうか。
悩み過ぎて現実で出来もしない事まで浮かんでくる。
でも颯太を見ていると約束したのは自分で選んだ事。
確かめるためにも切り替えていかないと……。
あれこれ考えながら歩き、颯太の住むアパートへ着いてインターホンを押す。
「遅い、もう八時だぞ。何やってたんだ」
ドアを開けられると真っ先に気が立っている声が飛んでくる。
「ごめんね。友達と話し込んでて気付いたらこんな時間になっちゃって」
「オレと先に約束してたんだから時計くらい見とけ。それに遅れるなら連絡入れとけよな」
部屋に入ってからもお説教。
遅れた私も悪いけど、ここまで怒らなくても……。