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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと

ソラ先輩の優しい気遣いに心が痛む。

自分に分身ができたら二人の間で上手く立ち回れたのだろうか。
悩み過ぎて現実で出来もしない事まで浮かんでくる。


でも颯太を見ていると約束したのは自分で選んだ事。

確かめるためにも切り替えていかないと……。


あれこれ考えながら歩き、颯太の住むアパートへ着いてインターホンを押す。

「遅い、もう八時だぞ。何やってたんだ」

ドアを開けられると真っ先に気が立っている声が飛んでくる。


「ごめんね。友達と話し込んでて気付いたらこんな時間になっちゃって」


「オレと先に約束してたんだから時計くらい見とけ。それに遅れるなら連絡入れとけよな」


部屋に入ってからもお説教。

遅れた私も悪いけど、ここまで怒らなくても……。

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