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イケないキミに白い林檎を
第3章 裏切り
なんと言って切り抜けよう。
まだ見つかってないってそのまま言えばいいかな。
「実は――――」
「俺だよ」
ソラ先輩……!?
「乙羽さんが具合悪そうだったから、介抱して送り届けたんだ」
もしかしてフォローしてくれた……?
ちらっと隣に座っているソラ先輩を見ると目が合って優しく微笑んでくれた。
話を合わせろってことだろうか。
「……ソラ先輩の言う通りだったよ」
「なーんだ、結局ソラくんかー。つまんないのー。でも風子ちゃんは彼氏がいるから何かあっちゃ困るよね」
「風子ちゃん、浮気はするもんじゃねーよ?おれなんてネトゲの女の子とメールしてたら、彼女にぶち殺されそうになったし」
「あはは……」
グサグサと小さな針が刺されている気分だった。
みんなが思っているほど私はもう綺麗じゃない。
でもソラ先輩がその場しのぎの嘘を言ってくれて助かった。
いい顔をして平気で嘘をつく。
真似をしたくないけど、今は見習いたいくらいだ。
余興でやることは"歌"にすることだけ決めてこの日の話し合いは終わった。