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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと

『乙羽さんが優先しなくちゃいけない方は決まってるだろ。元々、そう言う約束で付き合ったんだから……』


「…………」

分からない。
最後のデートなのにどうしてそんなことを言うんだろう。
私だったらライバルに譲ることなんてできない。


『せめて何時でもいいから30分くらい会う時間を作って貰えないかな』

「分かりました。夜に必ず時間を作ってソラ先輩の家に行きますから」


『雪が降るから来るのは大変だろうし、付き合う前にばったり会ってたあの駅で待ち合わせでいいかな?』

「あ……、はい。お気遣いありがとうございます」


電話を終えてからソラ先輩と付き合った時の事が頭に浮かんだ。

復縁の邪魔をしないのも痛い思い出になるのも本当に覚悟していたから。

こんな時くらい少しはずるくなってもいいのに……。


本当に真面目な人…………

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