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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
遂にやってきた日曜日。
夜に天気が崩れそうに思えないほど晴天に恵まれていた。
やって来たのは都市部の駅前。
色んなお店が集中していてウィンドウショッピングをするには最適な場所だった。
人混みを避けた路地を颯太と二人で歩く。
「午前中から一緒に出掛けてくれるなんて珍しいね」
「おまえ、今日が何の日か分かってんのか?」
「えっと……、冬の日?」
私とソラ先輩にとったら、恋人としている約束の期限が切れる日。
それ以外に何かあったっけ?
「女子なのに忘れてるとかどうかしてんな。今日はクリスマスイブだろ。だからデートに誘ったんだ」
「へえー……。クリスマスかあ……」
サンタクロースが子供にプレゼントをあげる日だっけ。
今までのクリスマスは颯太に用事があるからと断られて一緒に過ごすことはなかった。
だから晩御飯の後にホールケーキが出てくる少し豪華な日。
それくらいで私にとってはあまり思い入れがない日だった。