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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
「男なら目がいくに決まってんだろ」
こういう時、颯太は男だからといつも開き直る。
もう勝手に見ていればいい。
でも他の女を見ながら体に触られるのは嫌。
「他の女を見てるのに、私にこんなことしないで」
セーターの中に入れていた颯太の手を掴んでやめさせるようにした。
まったく、男ってやつは。
呆れるけどなぜだかイラッとするような感情は湧いてこなかった。
付き合っていた頃は嫉妬して不安でいっぱいになったのに……。
「ノリ悪いな。そんじゃ、満室になる前にさっさとラブホに行くか」
ジャケットのポケットに両手を入れて歩く颯太の後ろをついていくけど私は足が赴かなかった。
「デートって、またラブホ一日コース?」