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第16章 わたしのこいびと

「元カレは関係ないじゃん！……とにかく、次に胸触ったらもう帰るから」

「怖っ、楽しみを奪うなよ。おまえはオレにどうしろって言うんだ」

「だからエッチだけじゃなくて普通にデートもできたらなって……」


「それだけはできねえ」

「…………」

言い争いの果てにやってくるどんよりと重たい沈黙。
どちらかが譲らないなら、こうなるのも仕方ない。これも向き合うということ。

でも結局私は体だけしか見られていないってことなのかな……。

先程まで顕在していた勢いをなくす私を前に颯太は大きな溜息を吐いた。


「……普通のデートなんてしたことねえから分からねえんだよ」