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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと

お腹も空いてきた頃、お洒落なお店に食べに行った。
バイキング方式で、並んでいる料理には家庭でよく食べられている物が多くあった。


「席で待ってて。今度は私が颯太の好きな物を当てて持っていくから」

「そんじゃ、オレは楽させてもらうわ」


料理を盛るためのプレートを手にして颯太の好物を探す。

唐揚げ、ほうれん草の胡麻和え、ハンバーグ、ウインナー、ベーコンがのってるピザ。
これで間違いなし。

自信満々に颯太が待っている席へと運ぶ。


「はい。これでどう?外れたものは私が食べるから」


プレートをテーブルに置くと口を半開きにして少しだけフリーズする。

「怖いから全部当てんなよ。オレの好きなもので皿を埋めるとか、風子は透視能力でもあるのか……」


「いつも颯太のことをちゃんと見てれば好きな食べ物くらい分かるもん」

驚かすことができて満足しながら、今度は自分が食べたい料理を取りに行く。


何を食べようか考えながらプレートを手にすると、ふと思い出した。

ソラ先輩が私の好きな食べ物を覚えていてくれたことを……。

コンビニに一緒に行った時に買ってくれた卵のサンドイッチとミルクティー。


それが私の好きな物だと知っていたのは前からよく見ていてくれたからなんだろうか。

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