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第16章 わたしのこいびと

「は？この前に聞いた時は好きって言っただろ」

「あの時は好きって言わないと今まであったことを否定してしまうようで怖かったの」


つらい思いをしながら玲亜さんと別れて私を選んでくれたこと。

復縁するのを嫌がりながらも支えてくれたソラ先輩のこと。

どちらも意味がなかったことのようにしたくなかった。


結局、今は復縁する気がないんだから否定しているのと同じだけど。

漸く自分の気持ちが分かったから一歩踏み出せた。


「このまま曖昧な気持ちで颯太と向き合っていきたくない。だから――」


恋人としてやり直すんじゃなくて……