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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
「友達に戻りたい……って言いたいんだろ」
知っているぞと言わんばかりに台詞を先取りされた。
怒ることはせず落ち着いた様子で私に目を呉れる。
「え……?どうして分かるの……」
「そりゃあ、おまえの元カレだからな」
「…………」
二年は恋人だった仲。元カレと言う言葉から親しさをじわっと感じた。
こんな時に今更……。
「それに復縁するかはっきりしねえし、エッチは拒む。友達みたいなデート。これを考えれば様子がおかしいのは分かんだろ」
「本当にごめんなさい」
「もう謝んな。……裏切った奴をもう一度信じるのは難しいよな。だから仕方ねえ」
湿っぽくなると颯太が意地悪をするように乱雑に私の頭を撫でた。