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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
「ひゃあ!?」
後ろからトンッと体に触れられて驚きのあまり肩が上がる。
「改札出てからついて来てたけど気付かなかった?」
「びっくりさせないで下さいよ。またストーカーごっこでもするつもりですか……」
姿を見る前に声で誰なのか分かった。
後ろからぎゅっと包んでくれる温もりがソラ先輩だと確信させる。
「会いたかったよ」
「……遅れてすみませんでした。話が長引いちゃって」
「大丈夫だよ。デートは楽しかった?」
「はい。〇〇駅に行ってきたんですけど、イルミネーションがすごかったです。
クリスマスツリーとか絨毯みたいにながーいのまであって綺麗でした」
子供染みた感想にソラ先輩は軽く笑ってから私を手放す。
やっと後ろに振り向けると、いつも通りと変わらない穏やかな顔で見てくれていた。
それに安心してから、目に映る周囲を気にする。
こっちの駅はイルミネーションはあるものの〇〇駅に比べて簡素なものだった。
それでも青色の光が同じくらい綺麗に見える。
「楽しかったならよかったね。……ところで今日は何の日か知ってる?」