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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
「俺は利用されている気はしなかったけどね」
無慈悲なことをしようとしていた私を攻めることのない姿勢に心がズキンと痛む。
その罪悪感に苛まれて本音を吐き出す決心がついた。
「実は……颯太にソラ先輩と付き合ってると言って嫉妬させて復縁に持ち込む作戦でいくつもりでした。
でも結局言えなくて颯太には隠したままです」
「なんで言わなかったの。その方が早く復縁できただろ」
「どうしてなんでしょうね……。なんかソラ先輩と一緒にいるうちにこの立場を復縁するために利用できなくなっていました」
でもこの切り札を使わなくて良かった。
三ヶ月経った今になってこれは間違いじゃなかったと言える。
もし、この方法を取ってしまっていれば今頃後悔していたはず。
この日までソラ先輩の彼女でいることもできなかっただろうし、颯太とも円満に友達に戻ることもできなかった。