この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イケないキミに白い林檎を
第17章 甘い恋がはじまる時
――ガタンッ!
ひいいぃぃ!!
ピンチ度を上げるように、取ろうとしていた隣の箱が頭上へと落ちてくる。
箱はなんとか両手でキャッチできた。
奇跡的に醤油差しもまだ無事。
でもここを一歩でも動けば、醤油差しが倒れて綺麗に拭いたのが台無し。
それに今すぐ醤油で汚れた太腿を拭きたい。
ショートデニムに黒のストッキング。
黒くて醤油は目立たないけど、ベタベタして気持ち悪い。
こんなに動くならジーパンを履いてくれば良かった。
ちなみにティッシュは台所に置いていない。
ベッドの上に一箱だけ。
颯太は外にいるし、今すぐ頼れるのは……。
…………。
ドキドキ、ドキドキ。
ティッシュを取ってもらうのを頼むだけなのに、なんでこんなに胸が煩いんだろう。
何となく話し掛けづらい。
でも今は気にしてる場合じゃない。
早くしないと醤油がっ……!
「あのー!ソラ先輩すみません。ティッシュもらえますか?」