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イケないキミに白い林檎を
第17章 甘い恋がはじまる時
クリスマスイブ以来、呼んでいなかった名前。
いざ口ずさんでみると照れくさかった。
来てくれるかな……。
お願いされるのも迷惑と思うほど、嫌いに思われてないかな……。
不安になったのも束の間、こっちへ向かってくる足音が聞こえた。
呼んだくせに顔が合いそうになると無意識に視線を逸らしてしまう。
「はい、ティッシュ。……って大丈夫?」
ソラ先輩は持ってきたティッシュを置くと、倒れそうになっていた醤油差しを立てて私が両手に持っていた箱を下ろしてくれた。
「ありがとうございます。助かりました」
「残りも全部下ろしとくよ。足元に置いておくね」
棚にある物をスムーズに下ろしていく姿に見惚れしまう。
こんなにカッコよかったっけ……。