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イケないキミに白い林檎を
第17章 甘い恋がはじまる時
「全然大丈夫です。ありがとうございます……」
「傷口は小さいみたいだけど、血が止まらなかったりガラスの破片が入ってそうだったら病院に行ってね。……さて、次は颯太か」
「あ?絆創膏でも貼っとけばこんなの治る」
私と同じくらい出血していて強がっている颯太にソラ先輩は絆創膏一枚を手渡した。
「風子には手当てしておいてオレにはしてくれねえのかよ」
「このくらい自分でやったら?俺は颯太みたいに手先が器用じゃないからさー」
「不器用にもほどがあるっての!このドSめ!……いってえ!!」
結局、颯太も手当てをしてもらい、私は二人の仲良しさを眺めながら笑っていた。
これが描いていた三人の理想の関係。
実現できたと言うのに、いびつなものに見えた。