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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
「すっ…、すみません。……できません」
「とか言って、本当は嫌がってないんだろ?」
「違います。……もうしたくないんですっ!!」
先輩達の手を振り払い、バッグを持って靴を履かずに外へと飛び出した。
雪一面に覆われている道を逃げるように走る。
少し離れた場所に来たところで、足を滑らせて派手に転んだ。
膝を擦りむいてヒリヒリとした痛みを感じる。
「っ……、ううっ……」
先輩たちが負ってくる気配はなく、静かに雪が降ってくる。
ヒヤリとする感覚も忘れて真っ白い地面に肌を付けたまま泣いた。
こんなことになったのは、寂しさで狂っていた時のツケが回ってきたからだろう。
本当に惨めな自分……。