この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
ソラ先輩の住むマンションに着いて、胸が張り裂けそうな思いでインターホンを鳴らす。
二度押してみたけど、留守なのか出てくる様子がなかった。
思い切って電話をしてみるけど繋がらない。
バイトかな……。
それとも飲み会?
まさか他の女の子と……
とりあえず玄関のドアの隣に座って待つことにした。
すると隣の住人が帰ってきて、怪しい目で私を見る。
合鍵を使って中に入っていた方がいいのかな……。
だけどこれを使う資格は今の私にはない。
使っちゃだめだ……。
寒さでガタガタと震える体と感覚が分からなくなるほど冷えきった足。
でもこんなのは、私がソラ先輩を傷付けた痛みよりもずっと大したことがないもの。
会えるまでここで耐えてみせる。