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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
それから座り込んで一時間経過した。
付き合っていた頃、メッセージを送ってくれていた時間をとっくに過ぎていた。
今日は帰ってこないのかな……。
お泊まり……?
もし、あの女の子がソラ先輩の新しい彼女だったら……。
苦しいけど、諦めるしかない。
もう他の誰かと争うような恋はしたくない。
颯太との復縁をソラ先輩が邪魔をしなかったように、私も邪魔をしないで好きでいるんだ。
まだ止むことなく降り続いている雪。
それを眺めていると視界が狭くなってきた。
眠い……。
いっぱい走って疲れたのかな……。
ぼんやりとしていて段々と回らなくなる頭。
縮こまって顔を伏せているとすぅーっと暗闇に落ちていった。
「乙羽さん……!」
ずっと聞きたかった声が聞こえる。
これは夢……?