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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
「うん……。なに?」
目は合っても冷たい視線。付き合っていた頃とは違う。
どこか拒まれているような感じがして、この先の言葉を口にするのが怖くなる。
でも今伝えないとチャンスはない。何も変わらない。
それに、踏み出すって決めたんだから……。
「私は……ソラ先輩が好きです」
好きと言う言葉の重みが、苦しくなるほど心臓をドキドキさせる。
こんなにも簡単に口にできない言葉だったんだって初めて知った。
「付き合っていた時に本当の気持ちに付けなくて、離れてみてやっと分かったんです。……って、別れた後に言い訳がましいですよね……」
自分でも何を言っているのか、考えられなくなるほど緊張していた。
一方、ソラ先輩は否定も肯定もせずにまた黙っている。