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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
何か言って欲しい……。
見えなくなる先行きに不安になって俯いてしまう。
床に目を向けていることしかできないまま、時間が過ぎていく。
「もう遅いと思いますけど……、忘れるまででいいので好きでいさせてください」
だけどちゃんと言うことができた。
自分の本当の気持ちを……。
これで後悔はない。だけど……
ねえ……、どっちなの……?
答えを教えて……。
気になるけど怖くて目をギュッと閉じた。
「好きになってくれていたんだ……」
恐る恐るソラ先輩を見ると困った顔で微笑んでいた。
長かった沈黙を消す言葉に答えは含まれていないのに、心に大きく響いてズキズキと胸を痛くする。
きっと、今更こんな事を言って迷惑だったんだ……。
本当にもう遅かったんだ……。