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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
心配させないように泣かないつもりだったのに、瞼にじわっと涙が浮かんでくる。
「うっ……、ごめんなさいっ。気付くのが遅くて…本当にごめんなさい。あなたが一番好きです……」
涙が頬を伝おうとした時、いきなり体が温もりに包まれて目を見開く。
冷たい体に心地良い熱が触れる。
私は身動きが取れないほどソラ先輩に強く抱き締められていた。
捕まえられるように、逃げることも許されないように。
「……遅くなんかないよ。ずっと待ってた」
すぐ傍から聞こえた優しい低い声。
それに反応して私の体の熱は大きく上昇していく。
……………。
信じられない……。
まだ待っていてくれたんだ……。
嫌いになっていてもおかしくなかったのに、いっぱい傷付けたのに……。