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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
「んー、少しだけ違うかな」
「もったいぶらないで教えて下さいよ」
するとソラ先輩は恥ずかしそうな顔をしてから答えた。
「……乙羽さんを汚しただけの男と同じ分類には絶対になりたくなかったから」
「えっ……」
その顔を隠すように、私を胸元に抱き寄せて髪をそっと撫でる。
「好きな人とした方が幸せだろ。だから、乙羽さんが俺の事を本当に好きになってくれたらしようと思っていたんだ」
嬉しい……。
汚いからでも意地悪をしていたわけじゃなくて、私のためにずっと我慢してくれていたんだ。
こんなにも……
こんなにも大切に想ってくれていたなんて……。
気付けなかった愛を知り、再び胸がいっぱいになって目に涙が滲んできた。