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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
「このブロッコリーが食べたいです」
「いや、こんな失敗作を食べさせられないよ」
「これがいいんです」
「そこまで言うなら分かったよ……」
ブロッコリーとギリギリ言える物体がのったお皿を取り出し、テーブルに並べて食べる。
「美味しいです。すごく美味しいです……」
箸で掴むのも困難なボロボロで歯ごたえのないブロッコリー。
青臭いけどほんのり甘い味がした。
何もかけないまま無心になって口の中へ運んで残さず食べた。
「ごちそうさまでした。実は男の人の料理を食べるのは初めてで」
「……それならもっといい物を食べさせてあげたかったな」
気持ちはしっかり伝わりましたよ。
声には出さず心の中で呟いてにっこりと笑った。
「あ、そうだ。これは返すよ」