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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
「これでもまだ分からないとか、僕はメイクの才能があるのかも。……僕だよ僕!大地」
「大地くん!?」
女の子の正体の名前を自分で口にしたのに、理解するのに少し時間が掛かった。
昨晩ソラ先輩の言っていた通り、私が仲良くなれる相手。嘘は付かれていない。
目尻に溜まった涙がポロリと落ちたのも拭い忘れるほど唖然とする。
同時にハラハラとしていた気持ちも治まってきた。
「こんなに近くにいても気付かないなんて風子ちゃ…、ぼく…、もう笑いが堪えられない…あっははは!このドッキリ楽しすぎるでしょ」
どうやら私はソラ先輩と大地くんに惑わせられていたようで。
「むうう……。どういう事ですかこれ。説明して下さい」
散々笑った後、ゴホンと咳払いしてから大地くんは語り出した。