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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
「あれは余興の打ち上げの日。ソラくんから風子ちゃんと最近不仲だと聞いてね。
打ち上げが終わった後、風子ちゃんを焦らせるドッキリ計画を二人で考えていたのさ」
私と海田先輩をおいて、珍しく二人でさっさと帰った理由がこれだったとは……。
「焦ると言えば異性の存在。でもソラくんは女の子苦手だからねえ。僕が一肌脱いだわけだ」
「大地は童顔だから女装させるのにピッタリかなって思って」
そして私がこの作戦にまんまと引っかかったという訳か……。
「風子ちゃんがいつも駅前を歩いている時間を狙って、この格好でソラくんと一緒にいたのは大成功だったね。こっちをチラ見して気にしていたから笑っちゃったよ」
「本当に女の子かと思ったんだもん……。化粧だって上手だし……」
「僕のお姉ちゃんはメイクアップアーティストなんだ。それでこの化粧を教えて貰って女装してみたの。今日のクオリティすごいでしょ?」
黙っていれば本物の女の子のよう。
でも正体が分かった今、間近で見れば大地くんだと分かる。
「確かにすごいけど……」
どんなに着飾った私よりも可愛いなんて女として負けた気がする。
「他の女の子の影を見て不安になってるとか、ソラくんのこと大好きなんだね。これからは他の男に色目を向けないで愛してあげなよ」