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イケないキミに白い林檎を
第18章 イケナイキミに捧ぐ✕
その後、駅前付近をデートしてから夜景が見える公園に行った。
街の灯りと散りばめられた星が澄んでいる夜空に映える。
圧巻の景色を目にしているのに、私は頬を膨らませていた。
「綺麗だね。そう思わない?乙羽さん」
「なんですか。また変な悪戯をしようとしてるんですか」
「あんな真似は二度としないから、いい加減に機嫌直してよ」
「相手が大地くんだったから多めに見てあげます」
キスされそうになった相手が大地くんじゃなくて本当に女の子だったら、私はどれほど落ち込んでいたんだろう。
想像しただけでも平静でいられなくなる。
「昨日あったことも合わせて、ソラ先輩が今までどんな気持ちだったか痛いほど分かりました」
「乙羽さん……」
「これからはいい彼女になれるように頑張りますね」
服をそっと掴んで口付けして笑顔を見せると、キスのお返しをされる。
今度こそ、この人を大切にしたい……。