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イケないキミに白い林檎を
第19章 もっとたくさん教えて…
「随分とご丁寧にありがとうね。名前に二回もそらって付くのは珍しいわね。同じ漢字が続くの?」
「名前の漢字はこう書きます」
ソラ先輩はお母さんにスマホの画面を見せた。
「まあ、画数が多いのね。時間制限のテストとか大変じゃなかった?名前書くのに時間取られて」
「ははっ、そうですね」
「やっぱり!……って邪魔してごめんなさいね。友達のところに出掛けてくるから、ごゆっくり」
お母さんは上機嫌でドアを閉めて階段を下りて行った。
足音が聞こえなくなった後、ソラ先輩は大きく深呼吸して上がっていた肩を下ろした。
「はあー……。緊張した。あれで大丈夫かな……」
肝が据わってると思っていたから意外。
心配する姿が可愛くて私はクスッと笑った。
「ばっちりですよ。でも女が苦手なのにうちのお母さんとは普通に話せるんですね」