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イケないキミに白い林檎を
第20章 ふたりの嫉妬と秘密の関係
様子を見に行こうとしていた土曜日。
颯太の実家にソラ先輩とお邪魔して、部屋のドアをノックする。
少し経ってから、気怠そうな顔をした颯太がドアを開けてくれた。
寝癖のついた髪、剃られていない髭。
付き合っていた頃よりもだらしなさを感じた。
「なんだ塑羅緒か。……っておまけ付きか」
散々会いたいと言っていたくせに、私をおまけ扱いにするとは失礼な元カレだ。
カーテンを閉めたままの薄暗い部屋。
雑誌、紙くず、お菓子の空箱が散乱している。
テーブルの上にある灰皿には、相変わらず煙草の吸殻が山盛りになっていた。
実家に戻っても颯太の部屋は汚いままだった。
「こんな所にこもってると健康に悪いんじゃない?せめてカーテンを開けて太陽の光を浴びないと」
他人の健康を指摘する前に、ソラ先輩は自分の食生活を考え直した方がいいのでは……っとつっこみたかったけど黙っていた。
「オレは植物じゃねえから、カーテンを開けなくても生きていけるんだよ」
「そっか。仕事休んでるみたいだけど、体調でも悪いの?」