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イケないキミに白い林檎を
第20章 ふたりの嫉妬と秘密の関係
散らばっているゴミを捨てながらソラ先輩と颯太の会話に聞き耳を立てる。
「どこも悪くねえけど体が重いんだよ。出掛ける気にもならねえ」
病気になっていたり、怪我をしていたわけではないようで安心した。
「珍しいね。何かあったの?」
「玲亜のやつ、オレが浮気した事を職場中に漏らしやがったんだよ」
――ドクン。
もう二度と聞かないと思っていた人の名前が出てきて動悸が激しくなってくる。
「そのせいで玲亜を気に入ってる上司に殴られたり、周りからクズ呼ばわりされてな。おまけに仕事も思うように進まねえ。……だから職場に行くのが怖くなったんだ」
ベッドに腰掛けて頭を抱え込む颯太に、私は何も声を掛けてあげれなかった。
私のせいだ……。
私が復縁を求めたせいで、颯太がこんなに辛い思いをするはめになってしまったんだ。