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イケないキミに白い林檎を
第20章 ふたりの嫉妬と秘密の関係
「ふーん、そうなんだ」
「可哀想とか少しは気の利く言葉を言えねえのかよ、この冷酷人間め」
颯太のしたことは自業自得と言っていたソラ先輩。
何を思って颯太の話を聞いていたのか、私にはやはり読むことが出来なかった。
「でも風子が来てくれたから少しは元気が出た」
ぐいっと腕を引かれて颯太の方へ倒れ込む。
あれほど友達でいたいと言ったのに、未だに分かってもらえないようで。
「乙羽さん、お菓子の袋を踏んでるよ」
今度は反対の腕をソラ先輩に引かれて、元いた位置に間に戻される。
子供が取り合いする玩具になった気分だ。
なんとも言えないこの微妙な空気に耐えきれなくなって、ずっと黙っていた私は口を開いた。
「とりあえず颯太は外に出た方がいいんじゃない?ソラ先輩の言うとおり、引きこもってると気が滅入っちゃうよ」
「……そこまで言うなら明日、オレとデートしろ」