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イケないキミに白い林檎を
第3章 裏切り
同時にふわっと空気が流れてきた。
あれ……
この香り……
「玲亜、なんでここにいんの?」
「遊びよ。それで夕方から飲み。昨日、LOINEで颯太に言ってたじゃない」
あ……、お互いの名前を呼び捨てにしてる。
昔から仲のいい女友達……?
なんだか複雑な気持ちになった。
でも名前のことまで嫌だと言ったら、また重いと言われてしまう。
くよくよしてはだめだ。
私は颯太の彼女なんだから、どーんと構えていないとならない。
自分にそう言い聞かせてモヤモヤとしてきた気持ちを顔に出さないように抑える。
平然を装って座っていると颯太に話し掛けた女の人が睨んできた。
これは……、席をどいてくれと言うことだろうか。