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イケないキミに白い林檎を
第3章 裏切り

私よりも先に空気を読んだソラ先輩が無言で席を立った。


「ありがとーって、爽やかイケメンじゃん!めっちゃモテそう。颯太にこんな友達がいたとはね」

「オレの従兄弟だ」

「まじで!?それなら納得。こっちは彼女?」

女の人は深い赤色のマネキュアをしている細長い指を私に向ける。


「……友達」

恋人である私の存在を隠すように颯太は呟いた。


「――――友達じゃなくて彼女だろ」

この人に知られると都合が悪いのかと思って黙っているとソラ先輩が私の代わりに訂正してくれる。


「へえー!この子が颯太の彼女なのね。よく見ると思っていたより地味」

貶してから私の顔をじろじろと見てくる。
二重で目はぱっちりとしていて色白な肌。完璧なメイク。

大人の余裕もあるように思えて私はこの女の人に敵う気がしなかった。

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