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イケないキミに白い林檎を
第20章 ふたりの嫉妬と秘密の関係
「海に行きたかっただけだから、本日のデートはこれで終了です。それに外に出て元気になったみたいだし、私の役目は十分果たせたと思う」
「触られるのを拒否しまくって、すぐに帰りたがるとかますます可愛くない女になったな。前の風子に戻ってくれねえかなー」
遮る建物が何もなくて冷たい風が容赦なく吹き付ける。
鼻をすすってブルブルと震える私の体に颯太は自分の着ていたコートを掛けてくれた。
「可愛くない女にも優しくしてくれるんだね……」
「うるせえな。好きな女には優しくするもんだろ」
好きな人……――
「気になってることを聞いてもいい?」
「あ?なんだよ」
「……ソラ先輩は優しいのになんであんなに冷たい目をしてるの?」
具合が悪い私をラブホテルに連れて行って一夜過ごした事を颯太に白状しに行く時も見せたあの目。
本当に笑っていないと知ってからずっと気になっていた。
「知るかよ。昔は明るくて素直な奴だったんだが、中学頃からあんな小難しい性格になってた。なんか嫌な事でもされたのか?」
「ううん、全然されてない。だからなんとなく思っただけ……」
「……おまえさ、塑羅緒と一緒にいることが多いみたいだけどまさか好きなのか?」