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イケないキミに白い林檎を
第20章 ふたりの嫉妬と秘密の関係
「あっ…、えっと……」
そう言えば付き合ってることを颯太にいつ教えればいいんだろう。
昨日のうちにソラ先輩に相談しておくべきだった。
「あいつを好きになるのだけは絶対にやめておけ」
「えっ……」
その一言で心に大きな穴を開けられたような衝撃を受けた。
平常でいられなくなり焦燥感に駆られる。
「まあ、元カレの従兄弟なんて好きになるわけねえか」
「どうしてソラ先輩のこと悪く言うの!?颯太のことすごく心配してたのに。困ってる颯太を救いたいって言ってたんだよ!」
「風子のために言ってんだよ。別に塑羅緒のことを人間的に批判してるわけじゃねえ。
……おまえだけはあいつと付き合わない方がいいんだ」
私はソラ先輩と結ばれちゃいけない……?
「なっ…、なにそれ……。もちろん地味な私が釣り合わないのは分かってるよ!」
「そう言う意味じゃねえよ。でも付き合えばおまえが絶対に泣くことになるからやめておいた方がいい」
「なんで……」
詳しい理由は話せないと言われて教えてもらえなかった。
何度聞いても頑なに口を閉ざして私に真実を隠したまま。
懸念だけを残して颯太とのデートを終えた。