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イケないキミに白い林檎を
第3章 裏切り

「この人は誰?」


不安になってきて小さな声で颯太に質問するとそれが女の人にも聞こえていたようだった。


「うちは颯太の会社の同期の玲亜(レア)よ。同じ職場で働いているわ。
よくレアカードとか名前でからかわれるんだけど、あなたまでいじらないでね」


冗談交じりに名乗った女はニコッと笑って、毛先にパーマの掛かった長い髪をかき上げた。


「おっ…、乙羽です。よろしくお願いします……」


同じ職場ということはいつも顔を合わせているから仲が良いんだろうか。

地味と言われたのは腹立たしかったけど、颯太の知り合いが一人分かっただけでも嬉しい。



「あのね、いきなりで悪いけど彼女さんに言いたいことがあるんだけどー」

「はい……?」


ミニスカートなのにも関わらず脚を組んでから、上目遣いで見てくる玲亜さん。

どこか怖くて、私は唾をゴクリと飲んだ。


「玲亜的に、あなたは颯太と別れた方がいいと思うの」


「えっ……」
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