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イケないキミに白い林檎を
第21章 愛するキミと見えない報復を
マンションに戻ってから台所に向かった。
塩入れと炊飯器しか置いていないカウンターにエコバッグをのせて食材を冷蔵庫に入れる。
「じゃがいもと玉ねぎは冷蔵庫に入れないで下さいね」
「分かった。みりんも冷蔵庫に入れなくて大丈夫だよね」
「はい。調理台の近くに置いておきますからこっちにください」
みりんを手渡されて共同生活をしているような気分になり、この先の事も薄ら考えてしまう。
ソラ先輩は私を家政婦扱いしてくる気配がないから助け合える関係になれるかな。
他人に任せっぱなしの颯太とは違って……――
――――『あいつを好きになるのだけは絶対にやめておけ』
海に行った時に颯太に言われた忠告が頭に過ぎり、針を刺すような痛みを心に感じた。
平和に過ぎていく時間のせいで理由は未だに分からないまま。
私を傷付ける素振りはなくて、逆に甘やかすばかり。
一緒にいて何がいけないのか分からない……。
またこんな事を考え出して私は何をしているんだろう。
気にして暗くなっちゃダメだ……!