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第21章 愛するキミと見えない報復を

お互いの料理ができてから、テーブルに並べて食べる。

不安でありながらも期待していたカレーは、入っている野菜の切り方が大雑把でもごく普通の出来栄えで。
大好きな人に作って貰った事実が味を何倍も美味しくしていた。

「じゃがいもは入れてないんですか？」

「レシピに書いてあった分量どおりに入れたけど」

スプーンでルーの中から探してみるとそれらしい物が見つかる。
この煮崩れしきった可哀想な物体がじゃがいもだったんだ……。
そんなことは心の中に留めて、ツッコミどころ満載のカレーを残さず味わった。

「ごちそうさまでした！すごく美味しかったです」

「乙羽さんの作ってくれたサラダも美味しかったよ。こうやって家で食べるのもいいものだね」



二人で晩御飯の片付けをして、寄り添いながら一休みしていた頃。

――ピンポーン


甘い一時を邪魔をするように、またインターホンが鳴る。

「これも宅急便ですか？」

「いや、もう頼んでる物はないんだけどな……」

ソラ先輩がインターホンのテレビモニターを確認してから音声をオンにする。

「どなたですかー」