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イケないキミに白い林檎を
第21章 愛するキミと見えない報復を
「オイ、オレだ。寒いから中に入れてくれ」
新手のオレオレ詐欺かと思いきや、私も聞き慣れている声だった。
どうしてこんな時に……
今すぐにでも問いたかったけど、私が声を上げてはいけない状況だったから黙っていた。
ソラ先輩がインターホンの通話を切ってからすぐに疑問を投げかける。
「颯太ですよね!?なんで今日遊びに呼んでるんですか」
「俺も来るなんて聞いてないんだけど」
ハラハラと焦る私とは対照的にソラ先輩は冷静だった。
颯太の前に限り、付き合っていることを秘密にすると言ったのに。
「私がここにいるのがバレたら、付き合ってることもきっと知られてしまいます!颯太が行かない部屋とかありますか?」
「うーん、どこに行かれるか分からない。クローゼットもいっぱいで隠れられないし、ここは――」